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5日目:2007年1月4日(木) くもりときどき雨
∽∽∽イタリア・フィレンツェ∽∽∽
目が覚めて一番最初にすることは、どこに居ても毎日変わらない。

ガバーっとカーテンを開け、

「今日は晴れているかな」。

もっと天気に無関心でいれたらいいのにといつも思う。もう少し違う朝の迎え方があってもいいのにと朝の始まりに何だか苦笑い。

どうやら今日は天気があまりよろしくなさそうである。鉛色のように重たい空。カラっと青空が広がっていたら、昨日の晩餐を忘れられたのに(笑)。
いただきます☆

ゆっくり起きたので、朝食ルームは宿泊人でごったがえしていた。たかだかハムとゆで卵だけれど、その2種類が加わってくれただけでも、今までのホテルの朝食よりもはるかによいと言えるだろう。

おまけに、「ショコラ?カフェ?」と注文を取ってくれ、温かい飲み物までテーブルに運んでくれる。悪くはない朝ではないか。うむ。

天気が悪いとなれば、フィレンツェにこれでもかと存在する美術館めぐりに決まっている。まずは、フィレンツェを訪れたなら、大抵の人が向うであろう
ウッフィッツィ(Uffizi)美術館へ。

あ、見えたよ! と、そこへチラリンパと現れたフィレンツェのドゥオモ

「おー!!」

ミーハーなわたしたちはもちろん出発前にもむ。と繰り返しDVDを観てきた映画「冷静と情熱のあいだ」。

こんな街の中に一緒になって存在しているものだとは思いもしなかった。こんなに大きいものだとは思いもしなかった。

「いや、もうちょっとフィレンツェという町を歩いてみてからにしよう」

敢えて最初にドゥオモに近寄らなかったのは、自分たちが冷静じゃないことがわかっていたからかもしれない。

露店がいっぱい ヴェッキオ宮殿、でか。

ウッフィッツィ美術館の前は長蛇の列。
9時にはとっくに開いているずなのに?

一旦はその列にくっついてみたものの、全くもって列が動く様子がないので偵察に行くと、何やら張り紙が。今日は、スタッフミーティングのために10時半オープンなのだそうだ。開くまでにまだ1時間半も!?待つことがあまり好きではないわたしたちは、惜しげもなく今まで並んでいた列をそそくさと離れた。

第二次世界大戦中に、アルノ川に架かる橋の全てが爆破されたのに、唯一無傷だったという
ベッキオ橋(奇跡だね!)を渡り、ピッティ宮殿へと向った。

ベッキオ橋・・・こんなのないよねー よだれがでそう・・・☆

「な、何、このキンキラキンの世界は?!」

白昼堂々、凶悪強盗犯でもやってきたらお店の人たちは一体どうするつもりなのかしら?と思ってしまうほどに貴金属のお店が立ち並ぶベッキオ橋周辺。まばゆい世界です。でも不思議とゴールドって魅力を感じないのです。シルバーやプラチナの方が好き。

なんて思いつつも、やはり気になるのが女心というもの(?)。まぁ、わたしがチラ見していたのは専らお菓子だけど。ときおり足を止めながら、ピッティ宮殿の2階にある
パラティーナ美術館へ(ローマのパラティーノの丘、と大変紛らわしいですね)。

隅っこにあるチケット売り場でFULL PRICE(館内全てに有効、とどこかのページには書いてあったけれど、わたしたちはダメと言われて入れなかったところもあるので全てではない)の大人1枚11.50ユーロのチケットを購入し、潜入してみた。ちなみにチケットの支払いは現金のみ。チケットには何種類かあるので、自分の好みに応じて購入するとよいだろう。

のっぺりしています。
ピッティ宮殿

どうやら、その昔メディチ家のライバルだったルーカ・ピッティの宮殿だったけれど、破産により、メディチ家の所有となったそうだ。(なのになぜ名前は「ピッティ」?ここは調べれば調べるほど謎が・・・いかん、日記が進まん!)

館内では大きな荷物を預けなくてはならず写真もNGなため、ガイド本を1冊購入(21ユーロ)。実は大した期待はしていなかったのだけど、館内はとても広く、「メディチ家って何なんだ!」という驚きを通り越して、素直に賞賛してしまう作品の数々。

ラファエロの「聖母子」や「聖母子と子どもの洗礼者ヨハネ」・・・わたしでも知っているよ、という作品が当たり前のように並ぶ。そしてこれでもか、と言わんばかりの見事な装飾。む。がメディチ家に詳しく、今日もあれやこれやと説明してくれた。美術も建築も、想像以上に楽しむことができた。本当はね、そんなに期待してなかったの。

近代美術館ものんびり見て周ったら、もうお昼の1時。美術館のレストランでお腹に何かを入れようとしたけれど一向に進まない列に、法外な値段・・・雨も降ってきたし、そろそろ出て、ホテルに傘を取りに戻って、中央市場へ繰り出してみるかと思っていたところ、何チャラ広場の一本裏に入ったところで人だかりのパニーニ屋さんを発見。

何かうまそうじゃない?

小雨の中だったけれど、足を止めずにはいられなかった。

並んでいる割には回転が早そうだ。だけど、一人ひとりの注文を聞いて、お兄さんが汗を流しながら作っている。ジュージューと炒める匂いがたまらない。

メニュー表を見てみると、イタリア語・英語・日本語で書かれてあり

ランブレドット:牛モツのパニーニ 3ユーロ

と書いてある。牛モツ大好き!
まさかこんなものをイタリアで食べれるなんて。牛モツに白メシでもいいかも。なんちゃって。
そそられるわ☆
わーい☆ 手渡された出来立てのパニーニ。

もうこれ以上開かないというくらいの大口を開けてパクリ。腹減ってんだよ、YO!

うまーい!

寒かったから、パンも温かければとも思ったけれど、ちょっとピリ辛。ふんだんに突っ込まれたモツ。ツユダクだから、包んでいる包装紙はナイロンなのね。む。は豚肉のパニーニを注文していたけれど、断然ランブレドットの方がうまかった。

7ユーロ、8ユーロ出してパスタを食べても腹5分目くらいにしかならないイタリアで、たった3ユーロのパニーニでお腹も心も満たすことができたことにとても歓びを感じた。

いつも満たされている日本での食事。納豆と白いご飯があればそれでいい。別に豪華なものが食べたいわけじゃない。自分がおいしいと感じるものを食べることができることがどんなに幸せなことなのか。

今までどこへ行ってもこんなことは感じたことがなかった。

それはわたしが選ぶ食事がたまたまわたし好みだったから?食事より何より、一人旅という設定にいつも興奮していたから?それともわたしが欲張りになったから?

食事では期待はずれまくりのイタリア。好き嫌いのないわたしたちが、まさかこんなことを思うだなんてこの国で思いもしなかった。

「イタリアで何を食べても、おいしかった」

みんなが言った言葉。

「そんなのウソ」・・・たった数日の間に何度思ったことだろう。あまり好きではないマクドナルドのハンバーガーが、アメリカでは何故かおいしく感じるわたしが思う。「そんなのウソやん」

 パニーニをかぶりつきながら、硬くちじこまってしまった、む。とわたしの心が、少しづつ和らいでいくのだった。


2時頃ホテルの部屋に戻ると、チップは消えているのに部屋はちらかったまま。

ナンジャコラ?

しばらくすると、リンリンと電話が鳴る。一体誰だろう?

出てみると、ここのスタッフだった。
部屋掃除がまだだからいつなら掃除してもよいか、との内容。

もう少ししたら部屋を出るのでその後でという旨を伝えたけれど、ひさしぶりの電話DE英語にドキドキ(日本語ででも電話は嫌いなのに)。

雨が上がった外に出て、もう一度朝訪れたウッフィッツィ(Uffizi)美術館へ行ってみるけれど、今度はまた別の案内が貼り出されており、5時半にcloseするらしい。これじゃ、ゆっくり見れないので、今日は諦めることにした。

予約していた人が支払い・発券してもらう
Bのカウンターに行ってお姉さんに声をかけてみると、そこで予約を取ってくれるということなので、日曜の9時からのチケットをお願いすることにした(予約の詳しい方法はコチラの「美術館」のところをご覧ください。)

1人3ユーロの予約金が必要だけど、長時間待つよりはいいだろう。

お馬ちゃん、バクバク こういう何気ないものが街の演出家なのよね
八百屋さん。マッシュルームがめっちゃでかかった! ヴェッキオ宮殿前のダビデのレプリカ

街をふらふらあるきながら、ローマより大分清潔で、大分のんびりしたフィレンツェという街を感じる。こじんまりとしていて歩いて十分周ることができそうだ。

あれもこれもと欲張らずに済みそうな街。それだけでリラックスできる。

時間もあることだし、
アカデミア美術館(6.5ユーロ)へ行ってみた。ここも写真はNG。大して大きくはないけれど、ミケランジェロのダヴィデ像(↑の4枚の写真の右下の本物が置いてあるのだ)だけと言えばだけのような気もするけれど、想像以上に大きく迫力があった。

奥の部屋にはたくさんの彫刻があったけれど、それらを見ていると、どれだけ彼の作品が凄いのかを感じることはできると思う。

ドゥオモ、はじめまして。

だけど、それより何より、圧倒的な存在感を示してくれたのはこのドゥオモ。

泣く子も黙らせるようなその凄味。静かに佇み、その姿はまさに街の番人。青い空と組み合わさったなら、一体どんな「絵になる」姿を見せてくれるのか。

気分のよくなったわたしたちは、気分を壊されたくないとばかりに、中華レストランへ"守り"に入った。ひさしぶりのお米は確かにおいしかったけれど、終始べっとり店員にくっつかれ、これまたタジタジ。

後は、食事だけなんだよ・・・

こんなに拘ってしまうわたしたちは、自分たちで思うより、大分食い意地が張っているのかも知れない(笑)。



















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